上階にも部屋があるのに1階だけ雨漏り。
このような雨漏りは、バルコニー、ベランダが原因の場合がよくあります。
1階に雨漏りの原因のNO.1です。
ベランダのメンテナンスを勧められたけど、何するのかな?本当に必要なのかな?
戸建住宅のメンテナンスというと屋根、外壁の話になりがちですが、バルコニー(ベランダ)のメンテナンスは同じくらい、場合によっては、それ以上に重要ですよ。
- バルコニー、ベランダのメンテナンスの重要性・必要性
- バルコニー、ベランダのメンテナンスをするために知っておきたいこと
- バルコニー、ベランダの自分でできるメンテナンス
- バルコニー、ベランダの業者に依頼するメンテナンス
- バルコニー、ベランダ防水の種類、価格
- バルコニー、ベランダのメンテナンス依頼先
大手ハウスメーカーのカスタマー部門で、家の困ったを対応している私だから知っている、バルコニー・ベランダのメンテナンスの重要性をお伝えします。
バルコニー、ベランダのメンテナンスはなぜ重要か?
わが家のバルコニーは見た目全く問題ないと思うんだよね。
以前、大手ハウスメーカーの住宅のバルコニーが崩壊したという話を聞いたことがありました。
崩壊したバルコニーは見たことはありませんが、一見劣化がないように見えても、表面を壊してみたら中の木材がボロボロに腐っている物件は何度も見ましたよ。
バルコニー、ベランダのメンテナンス不足で起こること
ベランダ、バルコニーのメンテナンス不足は、雨漏り発生確率を高くします。
天井から「ポタポタ」雨漏りするとそのまま放置することはなかなかできませんが、
バルコニーの下の部屋の壁にシミができても気がつかなかったり、気がつてもそのまま放置してしまうことがあります。
このシミは雨漏りの現象です。
現代の住宅は、昔の家と違って、気密性が高くなっています。
密閉度を高めるために、隙間を極力無くし外気や内部の空気が漏れにくなるようにしているということです。つまり空気の入り口も出口も少ない。
もし、想定以外の水が入ってしまった場合、空気同様出口がない。
出口のない水は、滞留して木造の住宅ならば、柱や梁などの木材を腐らせ、軽量鉄骨なら錆を呼び、住宅に致命的なダメージをあたえます。
バルコニー、ベランダのメンテナンスの重要性について詳しく解説します。
- 安全性の確保
バルコニー、ベランダは見落としがちですが、居住者の安全を確保するために欠かせません。ある大手ハウスメーカーの建物で、跳ねだしバルコニーが崩れて落ちたことがありました。
構造的な劣化や損傷が放置されると、バルコニーの強度が低下し、最悪の場合、崩落の危険性が生じます。特に、手すりや床材の腐食やひび割れは見逃しやすいため、注意が必要です。 - 建物の価値維持
定期的なメンテナンスは、バルコニーを含む建物全体の価値を維持するためにも重要です。劣化が進んだバルコニーは、見た目にも悪影響を及ぼし、住宅全体の印象を損なう原因となります。逆に、きれいに保たれたバルコニーは、住宅の魅力を高め、将来的な売却時にも有利に働きます。 - 長寿命化の促進
バルコニーの素材や構造は、適切なメンテナンスを施すことで長持ちします。木材、金属、コンクリートなど、それぞれの素材に適した保護処置を行うことで、耐久性が向上し、頻繁な修理や交換の必要が減少します。これにより、長期的にはメンテナンスコストを抑えることができます。 - 快適な生活環境の維持
バルコニーは屋外の延長として、日々の生活において重要な役割を果たしています。定期的な清掃や植物の手入れ、家具の保護などを行うことで、バルコニーを常に快適な空間として保つことができます。これにより、家族全員がリラックスできる場所を確保でき、生活の質も向上します。
バルコニー、ベランダの雨漏りは住宅の寿命を縮める原因に
なります。
屋根や外壁は気になるけど、バルコニー、ベランダのメンテナンスは気にならないのはなぜか?
カスタマーサービス部に連絡があるトラブルの原因は、屋根や外壁より、バルコニーやベランダのメンテナンス不足が多いですよ。
バルコニー、ベランダのメンテナンスで重要なのは床面の防水のメンテナンスです。
地味なメンテナンスで、みなさんの関心も薄いようです。
家を建てたとき、買ったときメンテナンスの説明も一通りはされている場合もあるようですが、ピカピカの家のことだけで頭は一杯。そんな先のこと言われても記憶に残っている人は少ないようです。
家を訪問して売込みされる塗装業者さんも、外壁や屋根の劣化を指摘してメンテナンスをおすすめしますが、バルコニーやベランダのメンテナンスからおすすめする業者さんはいません。
本格的な防水工事は防水塗料を塗るという簡易的なものではありません。厳密には外壁や屋根の塗装をする職人さんではなく、防水の職人さんが施工します。
塗装業者さんは屋根や外壁の劣化の指摘はしてもバルコニー、ベランダのメンテナンスはすすめません。一般の方は言われないから気づかなかったという方もいらっしゃいます。
わが家を守るためにバルコニー、ベランダの知っておきたいこと
バルコニーとベランダの違い
バルコニーとベランダは厳密には違いがありますが、一般の人はバルコニーもベランダと言う人が多いです。
違いは大まかには屋根がなければバルコニー、屋根があればベランダと定義されています。
ただ、メンテナンスについてはバルコニーもベランダもその違いはほとんどありません。
メンテナンスのために知っておきたいこと
バルコニー、ベランダのメンテナンスを判断するには、まず、わが家のバルコニー、ベランダはどのような構造でできているものかを知っておく必要があります。
バルコニー、ベランダの構造なんて言われても、難しくてわからないわ!!
詳しい構造を理解してほいしと言うことではありません。
日本の木造住宅のバルコニー、ベランダは主に下記の4種類。
この構造の違いでメンテナンス方法が違います。
バルコニー、ベランダの主な構造について説明します。
- 跳ねだしバルコニー
建物の梁を外壁から持ち出して柱を立てずに作るバルコニー、ベランダ。
木造の戸建て住宅に多いのはこの構造のバルコニー、ベランダです。 - ルーフバルコニー
例えば2階の場合は、1階の屋根部分に設置したバルコニー、ベランダ。 - 金物持ち出しバルコニー
外壁に金物を取り付けてバルコニーを支えます。
柱や梁を使用せずにバルコニーを設置できるため、デザインの自由度
が高いです。 - 後付けアルミ(アルミニウム、スチール)バルコニー
後付けアルミバルコニーは、既存の建物にバルコニーを追加(後付け)
されるような構造です。アルミニウムやスチールを使用して作られます。
わが家のバルコニーはどれ?
写真や説明で判断ができない場合は新築や、購入時の書類(図面)から仕様書を探してください。そこには、建物の大切な情報が記載されています。
書類や図面がどこに保管されているかわからなくなってしまった方は、この機会に、是非探して、保管場所を決めてください。
書類、図面は見つからないという場合は、建てた、買った会社に問い合わせてみて、バルコニーの種類を確認するとともに、メンテナンス方法を聞いてみてくださいね。
バルコニー、ベランダのメンテナンス
具体的なバルコニーメンテナンスの方法について見ていきましょう。
自分でできるメンテナンス(構造でも共通)
定期的な清掃:
バルコニーの床や手すり、家具は定期的に掃除をしましょう。特に、落ち葉やゴミが溜まると、湿気を呼び込み、素材の劣化を早める原因になります。- 排水の確認:
排水溝やドレンが詰まっていないか定期的にチェックし、清掃しましょう。水はけが悪いと、床材が傷んだり、貯まった雨水が雨漏りの原因になります。 - 構造の点検:
バルコニーの床材や手すりの接合部分など、構造的な部分を定期的に点検し、ひび割れやぐらつきがないか確認します。異常があれば早めに修理を依頼しましょう。
業者に依頼するメンテナンス
- 塗装の確認と再塗装:
木製や金属製のバルコニーは、定期的に塗装を確認し、必要に応じて再塗装を行います。これにより、腐食や錆を防ぎ、美観も保たれます。 - バルコニー・ベランダ床の防水メンテンス工事
跳ねだしバルコニー、ルーフバルコニー、インナーバルコニーの床は雨などの水が漏れないように防水層を設けています。これが経年劣化などで傷み雨水などが雨漏りの原因となります。
専門的な施工になりますのでDIYでは安心できません。防水メンテナンス工事は専門の業者に依頼して実施してください。
バルコニー・ベランダの防水層のメンテナンス
アルミバルコニーの床には防水層はありませんが、跳ねだしバルコニー、ルーフバルコニー、インナーバルコニーの床は防水層で水が入らないように施工されています。
防水層が劣化すると雨漏りの原因になるので、定期的に専門の業者に依頼して防水層のメンテナンスをする必要があります。
バルコニー・ベランダの防水メンテナンス工事についてご紹介します。
怪しい業者にだまされないように最低限の知識だけでもおぼえておきましょう。
バルコニー・ベランダ防水の種類と特徴、耐久年数、工事価格の目安
バルコニー防水には、主に以下の種類があります。
- ウレタン防水
- 特徴:液体を塗布して防水層を形成するため、凹凸のある面にも密着性が高く、柔軟性に優れています。
- 耐久年数:約10~15年
- 工事価格の目安:㎡あたり10,000円~20,000円
- FRP防水
- 特徴:ガラス繊維と樹脂を組み合わせた防水層で、耐久性と耐候性に優れています。
- 耐久年数:約10~20年
- 工事価格の目安:㎡あたり15,000円~25,000円
- シート防水
- 特徴:塩ビシートやゴムシートなどを貼り付ける方法で、施工が比較的簡単です。
- 耐久年数:約10~15年
- 工事価格の目安:㎡あたり8,000円~15,000円
- アスファルト防水
- 特徴:アスファルトを主成分とするシートを貼り付ける方法で、比較的安価です。
- 耐久年数:約10年
- 工事価格の目安:㎡あたり7,000円~12,000円
【上記はあくまで目安であり、実際の工事価格や耐久年数は、バルコニーの大きさ、状態、使用する材料などによって異なります。】
バルコニー・ベランダ防水どの防水工事を選べばいいか?
既存の防水層や構造などで施工可能なものが違うので、専門知識が必要です。
信頼できる専門業者に相談して決めてください。
防水のトップコートの塗り替えではメンテナンスになりません
バルコニーの防水切れが原因で、雨漏りが発生した家の方に
「メンテナンスされていますか?」とうかがったところ、
「外壁塗装工事の時に、バルコニーの床も塗ってもらいました。」とおっしゃっていました。
「外壁塗装工事の時にバルコニーの床も塗ってもらった」という話、何度か聞いたことありますが、これは、防水のトップコートだけを上から塗ったということです。
トップコートは防水層を雨風、紫外線などから守る働きをしますが、トップコートの塗り替えだけでは防水のメンテナンスをしたとは言えません。
メンテナンスは見た目だけをキレイにしても意味がないということです。
まとめ
バルコニーのメンテナンスは、安全性、建物の価値、耐久性、快適な生活環境を保つために非常に重要です。
ご自身でできる日常のお手入れと10年前後を基準に専門の業者にメンテナンス工事を依頼してください。
家族みんなが安心して過ごせるバルコニーを保つために、日々のメンテナンスを怠らないようにしましょう。