床下点検口?ご存じですよね。
キッチンとかの洗面所の床にある四角い枠のようなもの。
上を歩くと床が安定しない感じがするし、床下収納になっていたりもするけれど、
物を出し入れするのも厄介で、床下点検口は邪魔ものと思っていませんか?
ハウスメーカーのカスタマーサービス部で、毎日、家の故障と向き合っている私が、家を長持ちさせるための本当に重要な話をお伝えします。
この記事では、床下点検口が家を長持ちさせるのに重要なことがわかります。
床下点検口の役割や自分で点検するときのポイント、プロにお願いする点検についてお伝えします。
床下点検口の役割は物を収納する場所ではなく、
床下を点検するためのもの
床下点検口は名前の通り床下を点検するための場所です。
床下を点検すると何がわかるか知っていますか?
- 水やお湯、排水の配管の状況
- 土台や基礎の状況
- シロアリや湿気の状況
キッチンの前や洗面所
そんな邪魔な場所に床下点検口がある理由
わが家の洗面室ってそんなに広くないから、
点検口をもっとほかの場所に作ってくれればよかったのに。
キッチンや洗面台、お風呂などの水を使う場所のそばの配管の確認をしたいから、その近くにあるのよ。
水やお湯を使うには給水(給湯)と排水の配管を設置して水を流します。
公道から引き込んだ水道を家の敷地を通して家の中に配管を引込んでキッチンや洗面所などの水(湯)を使う場所まで水を届けます。
1Fなら床下に配管をころがして目的地のキッチンなどへとつなげて行くというわけです。
排水は大まかには、この逆パターン。
家にとって重要な設備配管や基礎の診断や状況の把握、木造住宅にとって大敵なシロアリの予防など、地味なようですが家を守るためには一番大切とも言えることを床下点検口から確認したり、診断したり、修理したりします。
ほかにも、床なり(床がキーキー軋む音)をなおすために、床下点検口から床下に入り補修することもあります。
あたり前に水が出ること、流れることができなくなったときに 床下点検口は必須
蛇口水が出るのは当たり前と思うかもしれないけど、
支障なく水が配管を流れているから、当たり前のように水が出る。
家も人間同様、年を重ねると様々な故障が発生します。
どんなに上手に建ててもらった家でも劣化します。
配管に穴が開いたり、外れたりして、あたり前出ていた水が出なくなることもある。
排水管だったら当たり前に流ながしていた水がどこかに水漏れしたり。
あたり前に水を使えるように、配管はきちんと整備しておかなければなりません。
家は人間のように簡単にレントゲンやCT、MRIも受けられません。
ペットと同様具合が悪い、痛いとしゃべれません。
突然のように、水漏れが発生ます。
万一のときに確認したり、修理したりするためにも床下点検口は重要です。
床下点検口はあるべきところに必要な大きさで設置しないと意味がない
家を建てる時「後悔しない場所、収納の中に床下点検口を作ろう!」とどこかのサイトにあちましたが、点検口の意味を理解した上で設置しないと役に立たない無駄なものになってしまう可能性があります。
新築の時、多額な金額で、マヒしてしまう人もいますが、点検口の設置も無料ではありません。
収納の中に点検口を作るのがダメなわけではありません。
家を長持ちさせたいから1年に一度は開けて確認するもの、荷物を出して、、、、と思ったら、めんどうと思いませんか?
邪魔にならないように、少し小さめで30センチくらいの大きさだったらよかったのに。
床下点検口は人が入れる位の大きさがないと役に立たないの。
床下点検口から床下に人が入るから、
人が入れる位の大きさがないと役にたたないのよ。
床下点検口のサイズは、人が床下に入れる大きさでないと役割が半減します。
人が床下に入って、配管の修理をしたり、シロアリ予防処理、土台や基礎の劣化状況の確認をしたいからです。
本格的な点検では、頭を突っ込んで床下を見ることができるだけではダメです。
最低でも45センチ角の大きさはないと人が入れません。
床下点検口は業者さんが点検、修理するためのもの?
私は家のことよくわからないけど、
わが家は大手ハウスメーカーで建てから、
ハウスメーカーの人がなんでも知っていてくれるから安心なの。
ハウスメーカーの人は相談にはのってくれるけど、
住んでるわけじゃんないし、建物の維持管理の責任は持ち主なんだけどな、、、
建物の購入方法にもよりますが、ハウスメーカーだと、新築から数年もしくは、築10年くらいまでは建物を建てた会社で定期点検があります。
床下点検口はその定期点検の時に、メンテナンスの業者の人が使うための場所と思っていませんか?
お金を払って、建物の維持管理をどこかの会社にお願いしている人は別ですが、
一般的な戸建て住宅の場合はどこにも維持管理を依頼していない人がほとんどでしょうから
維持管理の責任はハウスメーカーでも、メンテナンス業者でもなく持ち主の責任です。
つまり、ハウスメーカーの定期点検や業者さんが来た特別な時だけに
点検口は使うためのものではないです。
自分で実施する床下点検方法
床下点検口の開け方も知らないのに。私にでもできるかしら?
床下点検口の開け方
メーカーによっていろいろな形がありますが、
写真のプレートのような四角い部品が付いているから
写真だと矢印の丸くなっているところを押すと回転して取っ手が出てきます。
出てきた取っ手を持ち上げてふたを開けます。
床下収納になっている場合は中に樹脂製の箱が入っているので、これも外します。
取っ手を持って引っ張ても開かない、これ以上強く引っ張ると取っ手が壊れてしまいそうな時は、点検口の周囲を(下の写真の青いマーカーのあたり)ハンマーでコツコツたたきます。
この時、床に傷をつけないようにあて木などをしてハンマーでたたきますが、
あまりおもいっきりったくと傷がつくので注意してください、
床下点検口を開けて何を見るの?
とにかく水が貯まっていないか、水が漏れた跡がないか
これだけ確認しましょう!
床下点検口に一般の人が入るのはむずかしいです。
スマホを突っ込んで写真を撮って床下の状況を確認すると
床下点検口を開けたすぐ下だけじゃなくて、少し遠くまで見られます。
面倒なことだけど、家の維持管理は他人のせいにはできないとうこと。
だから、少しでもやりやすい環境をつくることが大切。
点検口は邪魔だから、収納の中に設置するアイディアもいいけれど、
点検口の上に物を置いてしまったら、点検口を開けなくなってしまいます。
もし、水が貯まっていたり、水が貯まったような跡があったら、
自分で対応するのは無理なので、業者さんに相談しましょう!
実際にあった怖い話
床下はすっかりプールになっていた
床下に数センチの高さで水が溜まっていることはそんなに珍しいことではないです。
わりとよくある話です。
なぜ床下に水が溜まったのか?
どこかの配管から水が漏れたのが原因ということがほとんどです。
「うちはどこからも水は漏れていない、雨水がどこから入ってきた!」と主張された方がいらっしゃいましたが、結局、給水管にものすごく小さな穴があいて水が漏れていたのが原因だったこともありました。
点検口を開けたのは10数年前。
定期的に点検しておけばよかった。
「洗面化粧台のあたりがなんだかすごく湿気ぽく、金具も錆びているし、
洗面化粧台の箱もなんだか、湿気ぽくなって交換しないとダメだと思います。」と
新築から20数年が経過した家から連絡がありました。
いろいろ調べた結果、お風呂の排水溝の部品が破損して排水管が外れていました。
お風呂の排水はそのまま床下に流れ、床下にプールを作り、
お風呂の隣の洗面所も湿っぽくなっていたのです。
ハウスメーカーの定期点検の時には水漏れは確認されていませんでしたら、
定期点検が終了してからの10数年の間で排水溝の部品が破損したことになります。
定期点検が終了して10数年の間、一度も床下点検口を開けたことはなかったそうです。
新築からすでに20数年が経過し、そのお風呂は廃盤になっていて、
排水溝と排水管をつなぐ部材も廃盤で手に入らないので、ユニットバスの交換。
部材が錆び、箱が湿気て変形してしまった洗面化粧台も交換となりました。
もっと、早くに気が付いていたら、お風呂の部材が手に入り修理ができたかもしれません。
洗面化粧台もこれほどまでに傷まずにすんだかもしれません。
それでも、お風呂や洗面化粧台は交換すれば、ピカピカになりますが、
見えない部分で家自体にも影響はあるはずです。
ハウスメーカーの定期点検が終わったあとも、ご自身で床下点検口を定期的に開けて確認をしていたら、被害は最小限におさえられたはず。
まとめ
邪魔なものと思っていた床下点検口は大切なわが家を危機から救う大切なものだということわかっていただけましたでしょうか?
自分で点検するのは、なかなか厄介なことですが、点検月を決めるなどして、
定期的に行うようにしてください。
それでも、自分では点検できないところもあるので、
5年に一度くらいは、プロに床下に入ってもらって、シロアリの被害の有無、水漏れの有無などを点検してもらうことが重要です。
そのためには、日ごろから、相談できる業者を見つけておくことです。
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