キッチンリフォームは家の快適さを左右する大切な工事ですが、「こんなはずじゃなかった…」と後悔する人も少なくありません。使い勝手の悪さ、予算オーバー、施工不良など、リフォームの失敗にはさまざまな原因があります。
そこで今回は、キッチンリフォームの失敗例とその原因、そして後悔しないための対策を詳しく解説します。
失敗を知ることがキッチンリフォーム成功への近道です！
- キッチンリフォームを検討している人
- キッチンリフォームで失敗をしたくない人
- キッチンリフォームで後悔したくない人
多くのリフォームを手掛けた経験から、キッチンリフォームの失敗から成功を導き出す方法をお伝えします。
この記事でわかること
- 使い勝手の悪いキッチンの理由
- 大幅な予算オーバーになってしまったキッチンリフォームの理由
- おしゃれだけれど、片付かないキッチンにしないために知っておきたいこと
- 事前に気にかければ失敗しないこと
- キッチンリフォームの成功のカギは収納
- 信頼できる業者の見極め方
失敗｜使い勝手が悪い…動線を考えなかった
リフォーム後に「調理しづらい」「冷蔵庫が遠すぎる」「家族とぶつかる」といった問題が発生することがあります。これは動線設計のミスが原因です。
成功するためにはここがポイント
- ワークトライアングル（シンク・コンロ・冷蔵庫の距離）を意識する
- 家族の動きを想定してレイアウトを決める
- 実際の生活をシミュレーションし、専門家と相談する
対策①：「ワークトライアングル」を意識する
キッチンの基本動線は、
- シンク（洗う）
- コンロ（加熱調理する）
- 冷蔵庫（食材を出し入れする）
の3点を結ぶ**「ワークトライアングル」**がポイントです。この3つの距離が適切でないと、移動が多くなり作業効率が悪化します。
理想的なワークトライアングルの距離
- 各辺の距離が 120cm〜210cm に収まるのがベスト
- 3辺の合計が 360cm〜600cm の範囲が目安
一列型やL字型でも同じように距離を考えてください。
距離が近すぎると… → 窮屈で作業しづらい
距離が遠すぎると… → 移動が増えて疲れる
特に冷蔵庫の位置は重要です。ドアの開閉方向も考え、料理中でも取りやすい位置に配置しましょう。
対策②：家族の動きを想定してレイアウトを決める
キッチンは一人で使うだけでなく、家族と一緒に料理をしたり、子どもやペットが近くを通ることもあります。
リフォーム後に
- 「子どもとぶつかって危ない…」
- 「夫婦で料理すると窮屈…」
- 「配膳のために何度も往復する…」
といった問題が起こるのは、人の動きを考慮していないからです。
家族の動きを意識するポイント
- キッチンを通る動線を確保する（人がすれ違える幅を確保）
- 配膳や片付けの動線をスムーズにする（ダイニングまでの距離を短く）
- ゴミ箱の位置にも注意する（作業中に邪魔にならない場所に設置）
- 何人がキッチンに立つのかを確認する
ペニンシュラキッチン（対面式）の場合は特に注意！
カウンターの幅が広すぎると、ダイニングとの距離が遠くなり配膳や片付けが面倒になります。
TOTOシステムキッチン ザ・クラッソ
対策③：実際の生活をシミュレーションし、専門家と相談する
「図面上では問題なかったのに、実際に使ってみると不便だった…」
これは、実際の生活を想定していなかったことが原因です。
リフォーム前に、次の方法でシミュレーションしてみましょう。
現在のキッチンで動線チェック
- 料理をする流れをスマホで撮影する（どこで手間取るか確認）
- 立ち位置を変えたらどうなるか試す（冷蔵庫の位置を変えたら楽になる？）
- 家族に動いてもらう（夫婦で料理する時のスペースは十分？）
図面上で実際の動きを想像する
リフォーム会社からもらう図面を見ながら、料理の流れをシミュレーションしましょう。
- 「ここに立つと、どのくらいのスペースがある？」
- 「ゴミ捨てや食器の片付けはスムーズ？」
- 「食洗機やレンジの扉を開けた時、邪魔にならない？」
キッチン専門のプロに相談する
ハウスメーカーやリフォーム業者だけでなく、キッチンプランナーやショールームのスタッフにも相談すると、より使いやすいレイアウトの提案を受けられます。
実際にショールームで実物のキッチンに立ってみると、「想像と違った…」というミスマッチを防げます。
ショールーム見学のポイントをご紹介「ショールームに行って見よう！」
失敗｜予算オーバー！追加費用がかかる原因とは？の詳しい対策
キッチンリフォームでよくある失敗のひとつが「思った以上にお金がかかってしまった…」という予算オーバーの問題です。
最初の見積もりでは予算内だったのに、工事が進むにつれて「追加工事が必要」「設備をグレードアップしたくなった」などの理由で、最終的に大幅に予算を超えてしまうケースが多く見られます。
では、どうすれば予算オーバーを防ぎ、適正なコストで理想のキッチンリフォームを実現できるのか？
以下の3つの対策をを徹底することで、予算内で納得のいくキッチンリフォームを実現できます！
- 工事前に詳細な見積もりをもらい、追加費用の可能性を確認する
- 安すぎる見積もりには注意し、相見積もりで比較する
- 後から変更しないよう、事前にしっかりプランを固める
対策①：工事前に詳細な見積もりをもらい、追加費用の可能性を確認する
リフォーム業者から提示された見積もりを鵜呑みにせず、細かくチェックすることが大切です。
特に注意すべきポイント
- 「一式」の表記が多い見積もりは要注意
- 「追加費用が発生する可能性がある項目」を確認する
- 「設備費」と「工事費」が分けて記載されているか
なぜ「一式」の見積もりが危険なのか？
見積もりの項目に「配管工事一式」「キッチン本体一式」と書かれていると、何が含まれているのか不明瞭で、追加費用が発生しやすくなります。
事前に確認するべき質問
見積内容をしっかり質問し、予算内で収まるのか確認してから契約することが重要です。
- 「この見積もりに含まれていない工事はありますか？」
- 「追加費用が発生する可能性がある部分を教えてください」
- 「もし追加工事が必要になった場合、どのくらいの費用がかかりますか？」
対策②：安すぎる見積もりには注意し、相見積もりで比較する
リフォームを依頼すると、業者によって見積もり金額が大きく異なることがあります。
「相場よりも明らかに安い業者」を選ぶと、後から高額な追加費用を請求されるリスクが高くなります。
安すぎる見積もりの裏にあるリスク
- 後から追加費用を請求される（最初は安く見せて契約を取る）
- 質の悪い材料や設備を使われる（短期間で劣化する可能性）
- 手抜き工事になることもある（必要な工程を省かれる）
相見積もりを取る
- 最低3社から見積もりをもらう（相場感を把握できる）
- 見積もりの内容を細かく比較する（同じ条件で比較する）
- 「なぜこの金額なのか？」を業者に説明してもらう（説明が丁寧な業者のほうが安心）
価格だけで判断せず、内容の透明性が高く、説明が丁寧な業者を選ぶことが大切です。
対策③：後から変更しないよう、事前にしっかり要望を固め、プランを決定する
キッチンリフォームで予算オーバーが発生する最大の原因は、「工事が始まってからの変更」です。
工事が進行してからの変更は、追加費用だけでなく、工期の延長にもつながるため、できるだけ避けるべきです。
変更を防ぐためのポイント
リフォーム前に「絶対に譲れない条件」を決める
- どんなデザイン・機能を優先するかを明確にする
- 使い勝手や収納のニーズをリストアップする
ショールームで設備を確認する
- 実際に触ってみると、サイズ感や使い勝手が分かる
- 「思っていたのと違う…」を防ぐことができる
リフォーム業者と細かく打ち合わせする
- 施工前に詳細なプランを確定させる
- 「もし変更した場合、どのくらい費用がかかるか」も確認しておく
「あとで考えればいい」ではなく、リフォーム前に徹底的にプランを固めることで、予算オーバーを防ぐことができます！
失敗｜見た目はおしゃれでも…収納が足りない問題
デザインを重視しすぎると、収納が足りず「物が出しっぱなしになってしまう」ことも。
キッチンリフォームで「おしゃれなデザインを優先したら、収納が足りなくなった…」という失敗は結構多いです。
- 現在のキッチン用品を把握し、必要な収納スペースを確保する
- 見せる収納と隠す収納をバランスよく配置する
- 収納しやすさ、使い勝手のよい収納にする
おしゃれなキッチンと使いやすい収納は、両立できるもの。
ここでは、収納不足を防ぐための3つの対策を詳しく解説します！
対策①：今あるキッチン用品を把握し、必要な収納スペースを確保する
リフォーム前に、現在のキッチンにあるものをすべて洗い出すことが大切です。
フライパンや鍋の数はどのくらい？
食品ストックはどこに収納する？
お弁当箱や水筒、調味料の置き場所は？
「見た目スッキリ」を優先しすぎると、今持っているものが収納しきれない事態になります。
今の収納スペースをチェック！
- 現在のキッチン収納を写真に撮る（どこに何があるか可視化する）
- 「よく使うもの」「たまに使うもの」に分類（収納優先度を決める）
- 「どのくらいの収納が必要か？」を計算する
理想の収納量は、現在のキッチンの収納物を入れても２割程度の余裕があること。
あまりにピッタリすぎると、新しいアイテムを買ったときに収納が足りなくなります。
※ただし、リフォームの機会に不要なものは整理すること
対策②：見せる収納と隠す収納をバランスよく配置する
おしゃれなキッチンにしたいなら、「見せる収納」と「隠す収納」のバランスが重要！
見せる収納（オープンシェルフ、飾り棚）
隠す収納（引き出し、カップボード、パントリー）
失敗しがちなポイント
- オープン収納を増やしすぎると、生活感が出る（ごちゃつきやすい）
- すべて隠す収納にすると、使いたいときにすぐ取れない
おしゃれで使いやすい収納のポイント
- 毎日使うものは「見せる収納」へ
お気に入りのカップ、スパイス類、頻繁に使う食器などはオープン棚に
「見せる収納」は、モノの色やデザインを統一するとスッキリ見える - 生活感が出やすいものは「隠す収納」へ
ラップやキッチンペーパー、ストック食品などは引き出し収納へ
コンロ周りに調味料を置く場合は、扉付きの収納ラックを活用 - ゴミ箱やストック品の収納を忘れない
ゴミ箱スペースを確保（後から置き場に困らないように）
パントリーがない場合は、引き出し式の収納スペースを活用
「見せる収納」と「隠す収納」を適切に配置すれば、スッキリした見た目と使いやすさを両立できます！
対策③：収納しやすさ、使い勝手のよい収納にする
収納量は多くすれば多くするほど、モノが増えてしまう人もいます。限られたスペースを合理的に利用できるようにすることも重要なポイントです。
① 引き出し収納タイプのシステムキッチンを選ぶ
- 開き戸タイプよりも、引き出し収納のほうが収納力が高い
- 奥のものが取り出しやすく、デッドスペースが少ない
- フルオープンの引き出しなら、一目でどこに何があるか分かる
② 収納の使い勝手を考えて選ぶ
- 吊り戸棚は手が届く高さに（高すぎると使わなくなる）
- 家電収納スペースを確保（炊飯器や電子レンジの置き場所を決めておく）
③ パントリーを作る
スペースが取れるならパントリーをつくることをおすすめします。
- パントリーは隠す収納、すっきりしたキッチンになる
- まとめ買いした食品や調理器具を収納できる
そうは言っても限られたスペースに収納量の多いキッチンにパントリー、そんなの理想通りのキッチンが作れれば苦労しない！という方多いのではないでしょうか？
「リフォームをきっかけにいらないものは捨てる！」がおすすめです。
おしゃれなデザインと使いやすい収納を両立させるために、リフォーム前にしっかり計画を立てましょう！
失敗｜安さに飛びついた結果…手抜き工事のトラブル
「安いから」と選んだ業者が、手抜き工事をしてしまうケースも。
安のがいい！と思う気持ちもわかりますが、信頼できる業者さんは価格勝負ばかりで売り込むことはないです！
手抜き工事を防ぎ、安心してリフォームを進めるにはどうすればいいのか？
以下の3つの対策を詳しく解説します。
- 相場より安すぎる業者には注意し、適正価格を見極める
- 契約前に施工内容や保証についてしっかり確認する
- 工事中のチェックを忘れず、進捗を確認する
対策①：相場より安すぎる業者には注意し、適正価格を見極める
キッチンリフォームの相場は、工事内容や設備のグレードによって変わります。
見極めることが重要です。
相場よりも極端に安い見積もりを出す業者には注意が必要です。
安すぎる見積もりの裏にあるリスク
施工費を削減するために手抜き工事をする（配管や電気工事が適当になる）
安価な材料を使い、すぐに劣化する（見た目はきれいでも品質が悪い）
工事後のアフターサポートがない（不具合があっても対応してもらえない）
適正価格を見極めるポイント
- 3社以上の相見積もりを取る（平均的な価格帯を知る）
- 見積もりの内訳をチェックする（「一式」の表記が多い業者は避ける）
- 口コミや評判を確認する（手抜き工事のトラブルがないか調べる）
「安すぎる価格には理由がある」と考え、適正価格で工事してくれる信頼できる業者を選ぶことが重要です。
対策②：契約前に施工内容や保証についてしっかり確認する
契約前に、業者と施工内容や保証について細かく確認することで、手抜き工事のリスクを減らせます。
チェックすべきポイント
- 施工内容が詳細に書かれているか？
- 使用する材料や設備のメーカー・品番が明記されているか？
- 工事後の保証があるか？（保証期間や範囲）
例えば、こんな契約は要注意！
- 「キッチン工事一式」などのざっくりした表記しかない
- 保証が「1年未満」or「なし」
- 「工事内容に関する質問に答えてくれない」or「説明が曖昧」
- 極端に契約を急がせる
しっかり説明してくれる業者なら、工事の質も高い可能性が高いです。
対策③：工事中のチェックを忘れず、進捗を確認する
工事が始まったら、業者に任せきりにせず、自分でも進捗を確認することが大切です。
工事中の確認方法
- 毎日 or 数日に一度、現場を見る
- 写真を撮って記録する（後からトラブルになったときの証拠になる）
- 疑問点があればすぐに業者に確認する
工事の人とコミュニケーションも大切です。
話をするのが得意でない人もいると思いますが、挨拶したり、少しだけでも話しかけてみてください。
職人さんといい関係ができることも成功へのカギです。
もし「明らかに手抜きでは？」と思う部分があれば、
工事完了後ではなく、進行中に指摘することが重要です！
失敗｜ちょっと考えたら避けられたこと
長さや高さ数などちょっと考えたら避けられたこと、本当に必要か考えたらわかったこと。
難しいことではなかったことだけに悔やまれることがあります。
対策①：数値をチェックする
数値をチェックすれば避けられた失敗は絶対におかしたくないミスです。
失敗しないためのポイント
- キッチンの高さの目安 身長÷２＋５cm
ショールームで実際の高さで確認する - 調理スペースの長さ
自分にとって必要なスペースを考える 作業がしやすい調理スペースの広さは、一般的に約60cm～90cmが目安。 - 冷蔵庫を設置するための幅
最低でも７０cm将来的に大きなものに買い替える可能性がある場合はそれも考慮する - コンセントの数、設置場所
家電の置き場所を想定して数、場所を決める。
電気を使ったキッチン家電は年々増えていて、コンセントの数が不足していることが多いです。また、消費電力の大きいものをいっぺんに使う可能性がある場合は、コンセントの数だけでなく、新しい回路を増やしてもらうと、ブレーカーが落ちる心配がなくなります。
対策②：本当に必要なものか？を考える
「片付けが楽になった」や「水道代の節約になった」と人気のある食器洗い乾燥機ですが、
絶対に必要！という人と結局あまり使わない。という方に分かれます。
使う水の量は意外なことに手洗いより食器洗い乾燥機の方が少ないので、水道代が節約になります。Panasonic わが家の節約額シュミレーション
特におしゃれなオープンキッチンを目指す場合は、食器洗い乾燥機がおすすめです。洗いかごがない方がおしゃれ度がアップします。
まとめ｜失敗しないキッチンリフォームのために
キッチンリフォームの失敗を防ぐには、動線設計、予算管理、収納、信頼できる業者選びが重要です。特に業者選びを間違えると、施工不良や予算オーバーのリスクが高まります。
後悔しないために、しっかりと計画を立て、複数の業者を比較し、納得のいくリフォームを進めましょう！
