水を流すと排水管のどこかから異音 ポタポタと音がするとか、ボコボコ音がするとか、どこかで、シューシュー音、ゴン音がする。
水のトラブル!大変だ!!って焦るますよね。
水が漏れてきたらどうしよう!平穏な日常のピンチです。
この記事では異音がして水漏れ?と思ったときの原因と対処法について解説いたします。
焦る前に落ち着いて原因と対処法を知って平穏な生活を取り戻しましょう。
水は生活に欠かせないものですが、水漏れは建物にとっては天敵です。
家を長持ちさせるのは「水との闘い」です。
ハウスメーカーのカスタマーサービス部門で、水漏れなどの家の困ったなどの相談にお答えしている私だからお伝えできる水道、排水管の異音の原因や解決法をお伝えします。
- 急いで対象すべき異音と心配不要の異音
- ボコボコ音の原因と対処法
- シュー音の原因と対処法
- ゴン音の原因と対処法
- 壁や天井からポタポタ音が聞こえたときにやるべきこと
配管のことなんて興味ないわ!
急いで、異音の対処法が知りたいの!
水道異音、排水異音の原因 対処法をお急ぎの方は こちら へどうぞ。
でも、知っていると家を長持ちさせるヒントになる記事です。時間の取れる方は、是非、このまま読んでください。
住宅の配管の基礎知識
3種類の配管があるから快適に暮らせる
蛇口をひねれば水もお湯も出てきて、使った水は流れる。
快適にあたりまえに水やお湯が出せるよう、使った水やお湯を流せるように給水管、給湯菅、排水管の設計がされ、床下や壁天井裏に施工されているからできることです。
あたりまえのことですが、この配管に故障があると水漏れが発生します。
まずは配管のことを少しお勉強しましょう。
給水管
給水管は、 水道から引込んだきれいな水を住宅の中の必要な箇所に配っています。
配管と言うと鉄などの管を想像するかもしれませんが、現在、戸建て住宅では樹脂管(HIVP管)や架橋ポリエチレン管(PE)が使われています。
給湯管の役割
給湯管は、ガスや電気の給湯機器で水を温めてお湯に変え、お湯を浴室、キッチン、洗面など、必要とする場所にお湯を送ります。
給湯管は以前は耐食性や耐熱性に優れ、抗菌性のある銅管が使われていましたが、加工手間がかかることや、劣化によりピンホール(小さな穴)が開き水漏れを発生させるなどのデメリットから、近年では架橋ポリエチレン管などが使われています。
排水管の役割
ご存知、排水管は、手を洗ったり、洗濯したり、お風呂に入ったりして使った汚れた水が流れて、下水管に送っています。
下水管に到達する前にゴミ等の除去のために排水マスを通ります。
給水管や給湯管は自分で実施するメンテンスはありませんが、排水管は自分でできる範囲の洗浄や排水桝をたまには確認するなど、自分できるトラブル予防があります。
排水管は塩化ビニール管(VP管)です。一般の方も目にしたことがあるかもしれないグレーの管です。
水漏れは家に致命的なダメージを与える
水漏れで壁や天井を濡らせば、掃除をする手間や修繕する費用など頭が痛いことばかりですが、一番の心配事は、水漏れが家にとって致命的な劣化につながることです。
水は木材を腐らせ、鉄を錆びさせます。
つまり、木造であっても、軽量鉄鋼造であっても、鉄筋造であっても、壁や天井裏の配管から水が漏れれば、住宅の主要な構造部分を傷め、建物の寿命を縮める原因になるということです。
水漏れや雨漏れから家を守ること、水との闘いに勝利することが家を長持ちさせる絶対的な条件です。
水漏れは放置しないこと
例えば、壁や天井に水漏れが発生したら、下地が石膏ボードなら、水に濡れて強度落ちてしまったり、崩れてしまいます。
費用はかかってしまいますが、石膏ボードを貼り替えてクロスなどの仕上げをして、きれいに復旧させることは、難しいことではありません。
つまり、水漏れしたからと言って、すぐに建物に致命的なダメージを与ると言うことではありません。
水漏れを発見したら放置せずにすぐに対処すれば、被害は最小限ですみますが、放置して構造的に重要な部分の木部や鉄部を長い間濡れた状態にしておくと、木部は腐り、鉄部は錆びてしまいます。こうなると簡単には復旧はできず、大きな費用が発生するとともに、補修で強度を補うことになります。
実際に水が漏れたり、壁や天井が濡れるなどの状況が確認できれば、見て見ぬふりはできなくても、水が漏れているのは確認できないけれど、水漏れかもしれない?くらいだと、つい放置してしまいそうになりますが、放置しないでください。
水にまつわる異音 ゴボゴボ、シュー、ゴン、ポタポタ音
おかしな音がする、、、、水が漏れてる?心配になりますよね。
水にまつわる異音について知っていると水漏れを防げたり、水漏れを発見できたり、安心できたりします。
水を流すとボコボコ音がする
水を流した時にボコボコ音がする場合は大きく2つに分けられます。
- 対処しなくても大丈夫なケース
- 対処しないと水漏れやつまりにつながるケース
ゴボゴボ音がしても対処しなくて大丈夫なケース
心配不要なケースは
「一気に大量の水を排水口に流した」ケースです。
例えば、キッチンのシンクに溜めていた水を一気に流したり、浴室で浴槽のお湯を流しならシャワーを浴びたり、浴槽のお湯を流しながら洗濯の水を流したなどです。
一気に大量の水を排水口に流すと、排水能力を超えた水の量が排水管に流れて、排水管の中の空気が行き場を失ってゴボゴボと空気音が発生します。
つまり、トラブルが発生していなくても起こる現象なので心配はいりません。
ただし、毎回ゴボゴボと異音がする場合には水道修理業者に相談してみましょう。
対処しないと つまりや水漏れにつながるケース
対処しないと心配なケース
- 排水管のつまり、汚れ
- ダブルトラップ
- 排水トラップと排水管の接続不良
排水管のつまり、汚れ
ゴボゴボ音の原因で一番多いのは排水管のつまりや汚れによって、排水が流れづらくなっていることです。
つまりや汚れによって、排水管の中の水が流れる面積が減ることによって、流れてきた水で排水管の中がいっぱいになり、空気の行き場所がなくなり、ゴボゴボと言う音を発生させます。
つまり、ゴボゴボ音はするけれど水は漏れていなくても、改善しておかないと近いうちに使った水(排水)が流れなくなったり、水が漏れてきたりします。
ダブルトラップ
排水管は、臭気などの逆流を防ぐために水で封をしています。これがトラップ。
トラップが、一つの排水経路に、2箇所以上あると排水時に配管内の空気の逃げ道がなくなり、異音を発生したり、排水が流れづらくなります。
つまり、ダブルトラップを作ってはいけないのですが、在来工法(タイルの浴室)からシステムバスにリフォームした場合などに施工業者の確認不足でダブルトラップにしてしまことがあります。
昔、在来工法の浴室からシステムバスに交換するリフォームでダブルトラップやってしまった苦い経験があります。現場の確認が足りなかった💦
急いで、桝の中の配管のエルボ(曲がった管)を下向きにして、改善させました。
ゴボゴボ音の対処法
排水管の汚れ・つまり
◆自分でできる対処法
・ラバーカップでつまりを除く
・パイプクリーナーや重曹、クエン酸で掃除する
つまってしまったり、汚れがひどいと自分で改善するのはむずかしい場合があります。
自分でできる対処法は、緊急対応です。
とりあえず、緊急事態を回避できたら、同じことが発生すないように、普段から排水管の清掃や遺物、油物を流さない、この機会に排水管洗浄を検討してください。
◆業者に頼む対処法
・排水管洗浄
根本的にスッキリ改善させるには、専門の業者さんに依頼しましょう。
ダブルトラップ、トラップと排水管の接続不良
どちらも、ご自身で解決するのはむずかしいので、水道業者などに相談してください。
壁や天井、床下で「シュー」と言う音がする
「シュー」と言う音が聞こえると思われる壁や天井、床あたりを手で触ってみてください。
濡れていませんか?
もし、ぬれていたら、水漏れです。
「シュー」音は給水管や給湯管にピンホールと言われる小さな穴が開いて、ピンホールから勢いよく水が漏れて「シュー」と言う音を発生させているケースが多いです。
特に昔の住宅の給湯管で使われた銅管ではこの水漏れがよく発生します。
銅管の寿命は20年~30年です。古い建物の場合は、水漏れが発生していなくても、リフォーム工事の際に、近年使われている架橋ポリエチレン管(PEX)の排水管に取り替えておくと安心です。
シューシュー音の対処方法
シューシュー音は排水菅ではなく、給水管か給湯管からの漏れの確立が高いので、まずは水道メーターの確認をします。
家中の水を使っていない状態で、水道メーターを確認します。
家中どこも水を使っていないのに水道メーターのパイロットが回っていたら、給水管か給湯管からの水漏れが発生しています。
ただし、漏れている量が少量の場合はパイロットが回らないこともあります。
次に、音がする場所のそばに床下点検口や天井点検口などがあれば、開けて中を確認してください。開けてみて漏れているのが見える場合もあります。
漏れている場所がわかっても、わからなくても、修理をご自身でするのは難しいと思うので、水道業者さんに連絡してください。
ご自身で調べてわかったことがあれば、修理に来てもらう水道業者さんに伝えてくください。効率よく修理にかかることができます。
水を止めたらゴン!と音がする
配管内を通る水が瞬間的に停止されることで、水が流れる圧力が逃げ場を失い、配管内の圧力が急上昇して起こります。
特にシングルレバー水栓は、すばやく締まるため、勢いよく水を流した後に起こりやすくなります。
この現象をウォーターハンマー現象と言います。
ウォーターハンマー現象は蛇口を急に閉じたり、洗濯機や食洗機などが水を突然停止したりする際に起こります。突然停止した水の運動エネルギーが、衝撃波となって配管を打ちつけるということです。
壁の中の配管から大きな音や振動が聞こえたら、ウォーターハンマー現象の可能性があります。
放置するとどうなるの?
水道菅の損傷や破裂の原因になったり、給湯器などの各種センサー類に損傷を与えます。
早めに対処しましょう。
ゴン!音 ウォーターハンマーの対処法
- 水栓はゆっくり締めること
- 水撃防止器を設置する
水栓をゆっくる締めることは日常的に注意すればできることです。
水撃防止器は配管内の圧力変化によって生じる衝撃波を吸収する装置です。
自分で取り付けるのは、DIYが得意などで慣れている人でないとむずかしいので、おすすめできませんので、水道専門業者または工務店にご相談してください。
お風呂などのお湯を流すと排水管からポタポタ音がする
ある日どこからか、ポタポタ音がする。
でも、水が漏れているところはない。
ミステリーみたいです。
お風呂のお湯を流したら、ポタポタと音がする。、水漏れなので修理の手配お願いします。と連絡が入りました。
ん?、、、これ水漏れてないかも?
実は、ポタポタ音がしても、水が漏れていたという事象に一回も出会ったことがありません。
ポタポタ音は、まるで水漏れのしずくの音のように聞こえます。
でも、これは水漏れではなく、正体は配管の伸縮音です。
2階のお風呂やキッチン、洗面台でお湯を流した時に塩化ビニールの排水管が伸縮して音が鳴ります。この時、配管が通る壁や天井の中の木部などに強くあたっているとその音が響いて「ポタ、ポタ、、、、、」となって聞こえてきます。
最近は2階に浴室を設置することが多くなったので、2階の排水管材は全て防音対策配管で施工されます。防音材で包まれた排水管は木部に接しても音は聞こえません。
30年位前以上の建物では防音対策配管は使われていません。
新築時は音がしなかったのに、地震などで管が微妙にずれたり、木材の乾燥などでで木部が微妙にずれたりして排水管に木部などが強く当たるようになり、配管の伸縮がポタポタ音を発生させ、水漏れかも!となるということです。
ポタポタ音の対処法
音の鳴っている場所を見つけて、配管に当たっているものをカットするなどして離す、または、配管に音を緩衝するものをまくなどすると改善します。
点検口などのそばから音が発生している場合は容易に見つけれますが、点検口などがない場所の場合は、壁や天井を開口して確認する必要がありますので、水道業者に依頼してください。
まとめ
日常生活を邪魔する家のトラブルは起こってほしくないことですが、起こってしまったら、早く対処することで、早く解決できたり、費用を最低限で抑えることができます。
水道、排水管からの異音を知っていれば、早く対処しなければならないこと、心配のいらないことがわかって気持ちの余裕をもって対応できます。
話すことができない家から聞こえる異音に耳を傾けて、大切なわが家を長持ちさせましょう!